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目次
【就活 初心者】製薬会社 外資系大手を徹底解説【まず押さえるべき5社】
今回は製薬会社を志望する就活初心者向けの記事になります。
☑製薬会社の企業分析を始めたいけれど、何から始めたら良いのかな?
☑とりあえず大手の会社について情報収集したい

こんな方へ、外資系大手5社それぞれの特徴を解説します。
ちなみに大手5社とはイーライリリー、ファイザー、アストラゼネカ、サノフィ、ベーリンガーです。
*独断と偏見でのチョイスです
それと、外資系は年によって新卒採用をしてないことも多いので注意してください
ボク自身は内資系に勤めています。
MR歴10年です。
現場で外資系MRと会って話すことも多いので、リアルなところがお伝えできると思います

製薬会社への就活 『イーライリリー』について知ろう

有望な新薬が多く将来性の高い会社!イーライリリー
世界の売り上げランキングでも10以内には入る大企業のイーライリリー。
当然、世界展開している会社ですが
意外と「日本での売り上げが大きい」というのが特徴。
グローバル全体の10%を日本が占めています。
ということは、日本の営業部隊(MR)をわりと優遇してくれるということ。
日本の営業本部の発言権が強いっていうのは、グローバルな会社で働くうえでは大事です

意外と大きなポイントですね
余談ですが本社は神戸です。
神戸で働きたい人にも良いかも。
イーライリリーってどんな会社?
現役MRから見た就職/転職オススメ度 ★★★★☆
国内の売り上げは常にトップ10。
・「20 in 10」というプロジェクトを掲げており、 2014年から10年で20個の新薬承認を目指している。
全医療用医薬品のなかでトップ20に入る製品を2つも持っています。
これってかなり凄いことですよ。
「サインバルタ」抗うつ薬 全医薬品中11位 640億円!
「サイラムザ」抗がん剤 全医薬品中12位 520億円!
・年収 約814万円★★★☆☆ *openworkより
他の外資系トップと比べると若干劣る印象ですね。
ここはデメリットかな。
・福利厚生 ★★★★☆
最大の注目は福利厚生(正確にいうと人事制度?)。
「地域限定MR」という制度があります。
MRの最大のネック?である転勤を避けることができるのは大きなメリットです。
イーライリリーのオススメポイント
なんといっても『地域限定MR制度』

しかも、給与、福利厚生、いずれも全国勤務のMRとおなじ待遇です。
素晴らしいですね!!
ほかの会社でも、勤務地が選べることはあります。
でも、年収が下がってしまうケース(年収が15~20%下がるなど)が普通です。
イーライリリーは素晴らしいですね~
イーライリリーのデメリット
福利厚生のなかでも金銭的にインパクトが大きい『住宅補助』
が若干低めなのがデメリットですね。
都心だと会社からの補助が4~8万円くらい。
もし都内に家族で住んでいたら、すくなくとも10万円くらいは家賃の自己負担が生じてしまいます。
これは大手製薬会社のなかでは恵まれているとはいえません。
しかも給料も大手のなかではけっして高くはありません。
給料よりも勤務地などの働きやすさを重視したい人向けな会社ですね

製薬会社への就活 『ファイザー』について知ろう!

コロナワクチンで一躍超メジャーな会社に!
コロナワクチンでめちゃくちゃ有名な会社になりましたね。
2021年 コロナワクチンの売り上げは4.1兆円!!

2021年だけでみると、ファイザーの売り上げの4割くらいはコロナワクチンだったみたいですね。
2021年、全世界で一番売れた製品はファイザーのコロナワクチンでしょう。
日本での営業部隊も大きい
MR数は2000人程度とかなり多い。
第一三共や武田薬品などの、内資系大手に匹敵するくらいですね。
ファイザーってどんな会社?
現役MRから見たオススメ度 ★★★★☆
2020年、世界で2番目に売れた薬はファイザーとブリストルの「エリキュース」という薬です。
世界で1兆9130億円も稼ぎました。
ちなみに1位はアッヴィのヒュミラという薬で3兆円以上売れているのです。
・年収 1,027万円 ★★★★★ *opneworkより
外資系のなかでもトップでしょう。
内資系のトップに匹敵する年収ですね。
知り合いのファイザーMRもかなり稼いでるっていってました(笑)
・福利厚生 ★★★☆☆
日当額は2500円。
普通の金額ですね。
ファイザーのオススメポイント
なんといっても開発力がスゴイ!

最近でいうと、コロナワクチンの開発スピードで
日本のメーカーがまったく歯が立たなかったように
ファイザーの開発力は段違いです。
とはいっても、今回のコロナワクチンの技術は
もともとは「ビオンテック」という会社のものです。
このへんをすぐに導入してくるあたりの速さとお金がスゴイんですよね~
ファイザーのデメリット
じつは文系の方には大きすぎるデメリットがあります・・・

22年卒の新卒採用ですが
6年制薬学部、もしくは理系・薬学系の修士(大学院卒)
に絞って採用をしていました。
今後、どうなるかは分かりませんが、おそらく限定してくると思われます。
製薬会社への就活 アストラゼネカについて知ろう!

会社の将来性は良いけれど、MRの将来は? アストラゼネカ
オンコロジー(癌)の製品が充実していて
2020年代後半にかけて、会社の将来は安泰です。
ただ、過去には「リストラゼネカ」って言われるくらいに
リストラを頻繁にしてたことがあったり
現在もちょこちょことリストラしていたりと
不安要素はじゃっかん多めです。
しっかりとメリット/デメリットを認識したうえで就職してほしい会社ですね。

アストラゼネカってどんな会社?
現役MRから見たオススメ度 ★★★☆☆
・年収 795万円 ★★★☆☆*openworkより
大手製薬のなかでは若干低めになりますね。
もちろん外資なので、よい営業数字をあげれば高給になりますが・・・
・福利厚生 ★★★★★
日当は3500円くらいです。
ここは業界トップクラス!!
住宅補助などの福利厚生は製薬会社の標準レベルといった感じです。
アストラゼネカのオススメポイント
若いうちにオンコロジーの経験を積めば、今後の転職市場で有利になります。

その点でアストラゼネカはとっても良い会社です。
売り上げが大きいオンコロジー(癌)の製品をいくつか持っています。
「イミフィンジ」「タグリッソ」などの肺がんの薬が爆伸びしてます。
特に「タグリッソ」は2020年に日本で3番目に売れた薬。
その売り上げは950億円!!
非常の好調です。
ほかにもオンコロジーの薬をいくつか持っているので
若い人にとってはMRとしてのやりがい、転職での自身の市場価値を考えると
魅力的な会社です!
アストラゼネカのデメリット
一つ目のデメリットは「営業所がない」ということ。
みんなで集まる場所がないというのは結構さびしいものです。
なにかしらのコワーキングスペースみたいなものはあるはずですが。
「これからMRの仕事を覚えていきたい」
っていう新人さんにとっては少し厳しめの環境ですね。
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今後は多くの会社が「営業所をなくす」という方向です。
なのでアストラゼネカだけのデメリットにはならないかもです。
2つ目のデメリットは
『またまた早期退職(リストラ)を実施中』という点です。
2021年10月に募集をはじめました。
コロナによってMRは病院を訪問できなくなり、ドクターとオンラインで面談をするようになりました。
こういったデジタルへのシフトに対応できなかった45歳以上の人を対象にしてリストラしてます。
実際に、コロナでMRの営業の機会が減っても
薬の売れ行きが落ちなかったので
「だったらMR減らしても大丈夫だろ!」となったわけです。
アストラゼネカのMRからすると、とても悲しい現実ですが
それだけ良い薬を持っているっていう裏付けにはなりますね。
製薬会社への就活 『サノフィ』について知ろう!

糖尿病専門ドクターからの信頼が厚いサノフィ
現場では「インスリン」という糖尿病の専門医向けの薬を多く扱っているイメージ。
糖尿病の専門ドクターと対等にディスカッションできる
専門知識が身につけられる点はメリットですね!
サノフィってどんな会社?
現役MRから見たオススメ度 ★★★★☆
・年収 1,012万円 ★★★★★ *openworkより
かなり高給ですね。
外資系のわりには年功序列で日本的な給料体系と言われていますね。
若い頃からガンガン成果を出して給料を上げていきたい!
っていう人には向かない会社かも。
・福利厚生 ★★★★★
日当額は3000円くらい。
高額ですね。
外資のわりに日本的で福利厚生がよいです。
サノフィのオススメポイント
⇒糖尿病の専門ドクターとは仲良くなれる
『ランタス』というインスリン関連の売り上げの大きい薬剤をもっています。

インスリン関連の薬って
・糖尿病のなかでも割と重症なひとが使う
・血糖値をさげるので、使い方をまちがえると低血糖になって患者さんの命にかかわる
などの、リスクもあるんで、専門的な知識が必要です。
ほかのメーカーには、こういった知識がないので
サノフィMRは糖尿病の専門ドクターとは仲良くなりやすいです。
現場でも、よくサノフィMRが糖尿病専門ドクターと仲良くしているのを見かけます。
その面で、仕事のやりやすさや働き甲斐はありますね。
サノフィのデメリット
⇒糖尿病メーカー以外で「つぶし」が効かない
糖尿病の領域では多くの経験がつめる会社ですが
この知識が活きるのは、サノフィやノボノルディスクなどの糖尿病メーカーに所属している時だけ。
転職したら、新しい会社では通用しにくいスキルになってしまうのは、若干のデメリットですね。
製薬会社への就活 『ベーリンガー』について知ろう!

いまでも『そこそこの楽園』ベーリンガー
キャリア組の入社式で、社長が社員に向けて
「みなさん、ようこそ!最後の楽園へ」と言ったのは業界では有名な話。
当時(2015年頃)は「楽園」と呼ぶにふさわしい、それなりの根拠もありました。
◎良い薬をもってる
◎しかも、コ・プロモーション*で販売
◎高年収
◎手厚い福利厚生
◎それでいて、あんまり忙しくない
どれをとっても二重丸みたいな。
*ちなみに、「コ・プロモーション」とは、ひとつの薬を他の会社と協力しながら売る
というやり方です。
ベーリンガーにとって数年前の稼ぎ頭だった高血圧の薬「ミカルディス」は
アステラス製薬とのコ・プロモーションでした。
たとえベーリンガーがサボっても、アステラスが働くのでOKというわけですね。
もちろん、その逆もあります。
ベーリンガーってどんな会社?
・現役MRから見たオススメ度 ★★★★☆
2018年に大がかりな早期退職(リストラ)を敢行!
ここで「最後の楽園は崩壊した」と言われました。
でも、個人的にはなんだかんだいって「楽園」な感じはしています。
・年収 約918万円★★★★☆*openworkより
大手並みで十分な年収ですよね。
・福利厚生 ★★★★★
日当額は2700円。
労働組合がつよくて、住宅補助なんかの福利厚生も手厚い。
なんだか、医療費に関する補助がめっぽう強い!
窓口での自己負担が3000円こえたら、あとは会社が出してくれます。
*かなり良い会社でも2万円くらいが一般的です。
これは凄すぎであり得ない。
ベーリンガーのオススメポイント
⇒適度な忙しさと、そこそこ売りやすい薬
大型の新薬はありませんが、
そこそこ売りやすい薬をもっていると思います。
いまのベーリンガーの稼ぎ頭である「オフェブ」という薬。
「間質性肺疾患」というわりと珍しい肺の病気の薬です。
正直、めちゃ地味なんですが
ユニークな立ち位置で競合がいないことから、実はよく売れています。
国内の売り上げは400億円。
敵がいないので、自然に売れてます。
これこそ、MRがいなくても売れる薬!
やっぱり新薬を連発されると現場は大変だしプレッシャーもかかる(笑)
もちろん、それなりにやりがいは大きいですが。
ベーリンガーのデメリット
⇒バリバリ働きたい人には合わないかも
すこし緩めの雰囲気は漂うので
バリバリ働きたいひとにとっては、逆にストレスを感じるかもしれません。
マジメにバリバリ働く派のひとは、内資系を志望することをオススメします。
製薬会社 外資系にも魅力的な会社は多い!
外資系の製薬会社は、世界的に規模も大きく
たくさん研究開発費を使ってバンバン新薬を出してきます。
(内資系トップの武田薬品でさえも、世界的にはなんとかトップ10に入っているような状況)
さらに、こういった新薬を若い頃から扱っていくことは将来にプラスになりますし
がんばって良い営業数字をだせば、その分成果主義でたくさんの給料がもらえるのが外資系です。
ぜひ、ご自身にあった会社選びの参考になれば幸いです!

