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こんにちは。
製薬会社勤務11年のけいとです。
本日のテーマはこちらです。
【本日の内容】
武田薬品の決算が発表。※23年第3四半期 (10月26日公表)
決算の内容から武田薬品の現状と今後について予想
YouTubeのほうが詳しく解説してますので、よかったらどうぞ。
医薬品業界の最新動向を紹介しています。
目次
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武田薬品 営業利益を大幅下方修正!
23年第2四半期決算 (10月26日)
・売上見込みを「上昇修正」
・営業利益を「大幅下方修正」マイナス2,240億円!⇒利益額は当初の半分に
営業利益は前年の半分に!
利益率 ひとケタ台に突入です。
利益率5%台は、名の知れた製薬会社のなかでは最低水準の数字です。
ほかの製薬会社で利益率の低い会社はこちらで紹介しています。
✓利益率 暴落の原因は? ⇒成長製品の開発失敗
結論としては、肺がん薬「エキスキビティ」と再生医療製品「アロフィセル」の開発失敗による損失です。
これによって利益額は、去年の上半期の半分になります。
大打撃ですね。
でも、大事なのはここから。
今回、開発失敗が公表された肺がん薬「エキスキビティ」と再生医療製品「アロフィセル」。
これって、武田薬品のなかで、大事な製品だったのか?
もしも、将来性の期待されていない製品だったら、大したインパクトはないんじゃないの??って思いますよね。
結論、大事な製品だったようです。
現在、武田薬品の収益を担う”成長製品”が11コほどあります。
「エキスキビティ」「アロフィセル」、両方とも成長製品です。
要するに今後の武田薬品の売上の柱に育ってほしかった薬。それが2つ大きく失敗してしまったようです。
武田薬品 2024年以降の見通し ⇒しばらく苦しい時期が続く
あくまで私見です。
✓直近の大ピンチ 主力品「ビバンセ特許切れ」
ここで来年は2,000億円くらいのダメージありそう。
▼主力品 ビバンセ(ADHD治療薬)
売上 約4,600億円(総売上の11%を占める)
⇒ 23年8月から、アメリカでの特許切れの影響が大きくなるとされてます
アメリカは後発品が発売されたら、がっつり値段の安い後発品へ切り替わるので
来年2024年の売上は半減するでしょう。
さらに、新型コロナワクチンも地味に開発中止。
時期的にニーズもなくなってきたので、臨床試験をストップ。
なので、武田薬品は、直近で稼いでいくための新しい武器(新薬)の開発には失敗してます。
「エキスキビティ」「アロフィセル」「新型コロナワクチン」etc
ここ数年で稼いでいくための武器が育ってない印象ですね。
✓とはいえ、将来的な武器の”芽”はたくさん
さきほどから、直近の武器(新薬)の開発失敗でディスっていますが
とはいえ、国内最大手の武田薬品。
直近の武器では失敗しましたが、これからの”芽”はまだまだたくさん。
しかも、その数は医薬品業界トップクラス!!
日本で発売を控える新薬数『14コ』
この数は全製薬35社で2番目の多さです。※製薬業界の新薬数=将来性について知りたいひとはこちらの記事で。
しかも、これから伸びる領域である希少疾患で4つもっています!
これを踏まえると、短期的には厳しくても、中長期でみると、まだ希望はありそうです。
✓武田薬品 ”防御“は、わりと上手くいっている
武田薬は、新しい武器づくりで苦戦してても
いまの大黒柱は、かなりしっかりしています。
それがこちら。
エンタイビオ(潰瘍性大腸炎治療薬)
売上 約7,020億円!!
総売上の17 %を占める屋台骨
今回の決算では、エンタイビオの『皮下注射製剤の発売』が公表されてます。
なんで、これが”防御”になんの??
って思うかもですが、新しい剤型の追加は特許期間が伸びる可能性があります。
(特許の法律の詳しい話は分かりませんw)
ただ、実際にエンタイビオ(潰瘍性大腸炎)は、2018年発売なのに、2032年まで特許が続きます!!
一般的に、新薬の特許期間は10年くらいなので、相当、”延命”してますよね。
こんなわけで、武田薬品は”防御”はうまくいっています。
しかも、その守りはかなり強固です。
まとめ 武田薬品 2024年以降の見通し ⇒しばらく苦しい時期が続く(でも中長期的には浮上の可能性)
▼ネガティブ要素
・肺がん薬「エキスキビティ」再生医療製品「アロフィセル」の開発失敗
・コロナワクチンの減速(臨床試験中止)
・ビバンセ特許切れの影響拡大 ⇦短期的にはここが最も痛手
▼ポジティブ要素
・新薬の“芽“はかなり多い
・防御;エンタイビオの延命は上手くいっている