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こんにちは、けいとです。
本日も、資産形成のヒントを探していきましょう。
今回は 住友化学の医薬部門(住友ファーマ)。
ここ最近、株価も大きく動き、投資家の注目度が再び上昇。
「本当に復活した?」
「この好決算はしばらく続く?」
そんな疑問を、最新決算の内容をもとに丁寧に解説していきます。
目次
❶ 住友化学 医薬 ― V字回復は“本物”なのか?
まずはこちらをご覧ください。

2023年は 3,550億円の大赤字。
「もう立て直しは難しいのでは…」とも言われていました。
ところが最新決算では、
営業利益 980億円(+440億円の上方修正)
見事に “完全復活” を印象づける内容ですね。
さらに、住友化学の コア営業利益の9割を医薬部門が稼ぐ 状況へ。

一時的にですが「住友化学=住友ファーマ」といっても良いほどの構造に。
❷ 復活の主役は“アメリカの基幹3製品”
復活要因の中心は、アメリカでの 基幹3製品(オルゴビクス・ジェムテサなど)。

3製品合計の売上は…
1,200億円 → 2025年度には2,000億円へ
その中でも主役は オルゴビクス(前立腺がん薬)。

- 2024年:単体で1,000億円突破
- 2025年:さらに伸びる見込み
- 特許:2037年まで長期で安泰
大きな適応拡大はないものの、
“長期に売上が落ちにくいブロックバスター”として育ちつつあります。
❸ ただし…今回の黒字には“一時金”も含まれる
今回の決算が良かった理由のひとつが、
アジア事業の譲渡益(490億円)。

実力&一時金の両方で底上げされているため、
「実力だけで大復活!」とは、まだ言い切れない点は押さえておきたいところですね。
❹ 日本市場は相当きびしい状況
一方で、日本事業はかなり厳しい状態。
・売上:トータルで1,000億円に届かず
・主力のエクア/エクメットは後発品登場で大苦戦
・600人超が早期退職へ応募(100億円コストカット計画)

アメリカが絶好調なのとは対照的に、
“国内は構造的に縮んでいくエリア” というのが実情。。。
今後のカギ ― “基幹3製品の後継者”は?
住友ファーマが次の柱として育てようとしているのが、
(1) 再生細胞医薬
(2) 抗がん剤
(3) CDMO(受託開発製造)
① 再生細胞医薬 ― 最大の勝負どころ
特に注目は パーキンソン病向け再生細胞医薬。
- 2025年8月に国内申請済み
- 先駆け審査で審査期間は約6ヶ月→ 2026年4月までに承認可否が決定

住友化学は再生細胞医薬を
「2030年代の勝ち筋」 と明言。
ただし、難易度は高く、武田薬品はすでに撤退。
参入大手は「住友」と「ロート製薬」の2社のみという激ムズ領域。。

成功すれば巨大。
失敗すれば痛手。
ハイリスク・ハイリターンの象徴とも言える領域ですね。
② 抗がん剤 ― 最速で2027年に登場
抗がん剤も2つが2027年申請予定。
こちらは計画通り進めば、中期以降の売上の柱に。

③ CDMO ― 追い風で“密かにアツい”事業
製薬業界では、世界的にCDMO(薬の開発製造の受託)の需要が急拡大。
・自社で工場を持てない製薬会社が増加
・トランプ関税を見据え、アメリカ製造が強く求められる
・そんななか住友化学はアメリカに150億円で低コスト新棟(4つ目)を新設中

こちらも、地味ですが確実に伸びる領域ですね。
短期と中長期 ― 住友ファーマの展望をまとめると
▼短期(1〜2年)
◎ 堅調
・基幹3製品の伸び
・オルゴビクスの長期特許 (※公式情報ではない)
・黒字確保の見込み
▼中長期
△ 不安も多い
・再生細胞医薬の成否で未来が大きく変わる(2025年度中に承認されるか?)
・抗がん剤は順調だが少し先
・日本市場は縮小基調
・研究開発費&人員カットの“ハイリスク運営”
というわけで、本日のテーマ
「住友化学 医薬部門、復活は本物か?」
短期は十分に強い。
中長期は「後継者が育つか」がすべて。
住友ファーマはまさに“勝負の1~2年”を迎えています。
今回の内容をもっと詳しく知りたい方は、YouTube動画をどうぞ。
図を使いながら丁寧に解説しているので、ぜひご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました!

